教員・研究室紹介

未知の高エネルギー天体現象に挑む!

高エネルギー宇宙物理学研究室

*この研究室は他研究室と連携して運営されています

宇宙には,ブラックホール周辺の想像を絶する強い重力や光速に近い速さの相対論的ジェット,衝撃波や強い磁場,巨大な爆発現象など,地球上では想像できない極限状態の環境が存在します.そこでは高エネルギーの粒子(宇宙線)が加速され,ガンマ線などの高エネルギー電磁波が放射されていますが,その詳細はまだよくわかっていません.

そこで本研究室では,大気チェレンコフ望遠鏡を用いて1兆電子ボルト程度の超高エネルギーガンマ線でそれらの天体現象を観測し,他波長及び重力波やニュートリノの観測チームと協力し,高エネルギー放射機構の解明,宇宙線の起源の解明,そしてこれらの高エネルギー天体現象の物理的解明を目指しています.

  • 西嶋恭司
    特任教授
  • [主な担当科目]
    天文学, 物理学実験A
  • 神大の先生
    外部リンク

研究キーワード

宇宙線
ガンマ線
活動銀河核
ブラックホール
コンプトンガンマ線カメラ

研究分野

宇宙線物理学
ガンマ線天文学
高エネルギー宇宙物理学

研究紹介

これまでスペインのカナリア諸島ラ・パルマ等で,日欧共同の大気チェレンコフ望遠鏡MAGICを用いて活動銀河核をはじめ様々な天体を超高エネルギーガンマ線で観測し,その放射機構や宇宙線加速について調べてきました.現在はその発展形として,世界30カ国以上との共同で国際ガンマ線天文台CTAO,特に日本が担当する大口径望遠鏡アレイ(LST)の建設と観測に携わっていて,様々な高エネルギー天体の謎に迫ろうとしています.

他に,医療用コンプトンガンマ線カメラの開発に携わり,同じ原理のガンマ線検出器を搭載し,空白になっているMeVガンマ線領域をねらうSMILE計画にも参画しています.

発表論文

  1. K. Abe et al., (CTA-LST Project), “Detection of RS Oph with LST-1 and modeling its HE/VHE gamma-ray emission”, Astron. Astrophys., 695, A152 (2025)
  2. J.C.Algaba et al., (EHT Collaboration, Fermi-LAT Collaboration, H.E.S.S. Collaboration, MAGIC Collaboration, VERITAS Collaboration, and EAVN), “Broadband multi-wavelength properties of M87 during the 2018 EHT campaign including a very high energy flaring episode”, Astron. Astrophys., 692, A140 (2024)
  3. K. Abe, et al., (Super-Kamiokande Collaboration), “Solar neutrino measurements using the full data period of Super-Kamiokande-IV”, Phys. Rev. D 109, 092001 (2024).